スタッフ紹介 | 作品 - No.01 - No.02 - No.03
 
「そらのすきな こぐま 」 文・しがみね くみこ(子猫) / 絵・まえのり


こぐまは、そらを、みあげました。
「あおい そらに  くもが ながれるのは、
いいきもちだな」

こぐまは そらが、だいすきでした。


こぐまが そらを みながら  あるいていると、
いちりんのはなが、しょんぼり。

「どうしたの?」
「あめが ふらなくて、のどが からからなの」

こぐまは、いいことを  おもいつきました。

「ちょっと、まっててね」
いそいで かわへいくと、
みずを くんできて あげたのです。


げんきになった はなは、
「ありがとう!」
「のどが かわいたときは、  いつでも いってね。
ぼくが、みずを くんできてあげるよ」

こぐまは、そらばかり みています。
すると ことりが、こぐまのうえを とびました。
「ことりさんは、どうして そらを とべるの?」
「はねが あるからさ」
「ぼくにも はねがあれば、とべるのかなぁ?」
ことりは おおわらい。
「いくら はねが あったって、そんな おおきな 
からだじゃ、とべるわけがないよ」


それを みていた おおかみが、
「やあ こぐまくん。 きみ そらを とびたいの?」

こぐまは ふりかえると おおきく うなずきました。
「 それなら、いいことを おしえてあげよう」
「えっ、そらを とべるの?」
「まあ、そういうことだ」
こぐまは じっと おおかみのはなしを きいています。
「あのいわやまのうえに、おおきな きがたっている。
そのきのみをとっておいで」


それは あぶないことでした。
こぐまになんか のぼれるわけのない いわやまです。

「うん。ぼく、いってくるよ。
おおかみさん、ありがとう!」
こぐまは いっしょうけんめい、いわやまを のぼります。

「しめしめ。あのこぐま もうすぐ すべりおちるぞ。
けがをして にげられない こぐまは、
こんやの  ごちそうだ!」
おおかみは、よだれを たらしました。


こぐまは おもったとおり、 いわやまを すべりおちました。
「しめた!」 おおかみが、そう おもったときです。
いわやまに あみのように からまっていた つるくさが、
こぐまを たすけてくれたのです。
「ぼうや あぶないよ。 わたしに つかまっておいき」
「ありがとう!」
こぐまは しっかりつかまると、
いわやまを のぼっていきました。

「ちくしょうめ。・・・そうだ!おりてくるときには、 きっと すべりおちるぞ」
おおかみは、まつしかありません。


いわやまを のぼりきると、 おおきな きは ありません。
こぐまは したにむかって、 
「おおかみさ〜ん! きは どこにあるの〜?」

でも おおかみは、 へんじを しませんでした。
いわやまのうえに なにが あるかなんて、
おおかみだって しらなかったのです。

こぐまは ひとりで さがすことにしました。
ちいさな ちいさな はなたちが
たくさん さいています。

「やあ! きみたち こんなところに いっぱいさいていたんだね」
「そうよ。わたしたちは だれにも じゃまされずに さいているのよ」
かぜが ふいて その きいろい はなびらを ゆらせます。

「ねえ。わたしたちは、きれい?」
「うん。すごく きれいだよ」
はなたちは、とても よろこびました。
「だれにも みてもらえないから、 きれいなのかどうか、わからなかったのよ!」



「あなたは こんなところまで、 いったい
なにを しにきたの?」
「ぼくは、そらを とびたいんだよ」
「こぐまが そらを?」
「うん。 きのみを とってくれば、そらを とべるって、 おおかみさんが おしえてくれたんだよ」
「ここに きは ないけど、
きのみなら そこにあるわよ」
みると いわのあいだに、みずいろのたまが。
こぐまは てをのばすと そのたまを ひろいました。
「これ きのみかなぁ?」
みずいろのたまは、ひにかざすと、
きらきら ひかりました。


と、そのときです。
こぐまのからだが ふわふわと、うかんだのです。
「あれ?  ぼく はねもないのに、
そらを とんでいるよ」

「おめでとう!」
「よかったわね!」
はなたちが、てを ふってくれました。
「ありがとう!」
こぐまも てを ふると、
ぐんぐん、ぐんぐんそらを、のぼっていきました。


「あれは こぐまじゃないか!?」
おおかみは びっくり。
「ほんとうに そらとぶきのみが あったのか!? よし、おれも とりにいってやろう」

いそいで いわやまを のぼると きいろいはなたちを ふみあらしながら  おおきな きを さがします。

でも いわやまのうえに きは たっていないのです。
「ちくしょう! あのこぐま どうやったんだ?」
おおかみには わかりません。
ふみあらされた はなたちも  くちをききません。

あきらめたおおかみは したを みて、またまた びっくり。
「こんないわやま どうやって おりたらいいんだ?!」

おおかみは かんがえます。
「そうだ! こぐまを たすけた つるくさに つかまればいいんだ」
でも つるくさは、 はなたちを ふみあらした おおかみを
たすけはしなかったのです。

おおかみの つかまった つるくさは バシッ。
おとをたてて ちぎれると、おおかみのてを はなしました。

おおかみは、おおけがを してしまいました。




そのころ ふわふわうかんだ こぐまは、くものうえ。
そらいろのワンピースを かぜに ひらひらさせて、 
おんなのこが かけよってきました。
「あなたが、みつけて くれたの?」
こぐまには、 なんのことだか わかりません。
「その、あめだまのことよ」
「あめだま?」
それは みずいろのたまのことでした。
「それがないと  あめが ふらせられないの。
  なくしてしまって こまっていたのよ」
「そう。ぼくには よくわからないけど
ぼくは そらをとべたのだし、
きみが これで こまらなくなるのなら、
ほんとうに よかったよ」


こぐまは みずいろのたまを、おんなのこに わたしました。
おんなのこが みずいろのたまに なにかいうと、しとしとしと・・・。
あめが ふりだしたのです。

「すごいなぁ」
こぐまは したを みました。
しょんぼりしていた はなも、よろこんでいます。
「もう ぼくが みずを はこんであげなくても、 だいじょうぶだね」
「ええ。 わたしが ちゃんと あめを ふらすわ」
「あれ? いわやまのはなが、ふみあらされてる!」
「だいじょうぶ」
しとしとしと・・・。

あめを あびた ちいさな はなもやがて げんきになりました。

「そらのうえからは なんでも みえるんだね。でも ぼく、そらのうえから 
したをみるより したから そらを みるほうが ずっといいんだって、わかったよ!」



おんなのこは こぐまを じめんまで はこんでくれました。

「ほんとうに ありがとう、こぐまさん」
「ぼくのほうこそ、ありがとう」

おんなのこは てをふりながら そらへ あがっていきました。
そらいろのワンピースが、ひらひらと かぜにゆれて やがて きえていきました。

こぐまは きょうも、そらを みています。
こぐまは そらが、だいすきでした。

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