いわやまを のぼりきると、 おおきな きは ありません。
こぐまは したにむかって、
「おおかみさ〜ん! きは どこにあるの〜?」
でも おおかみは、 へんじを しませんでした。
いわやまのうえに なにが あるかなんて、
おおかみだって しらなかったのです。
こぐまは ひとりで さがすことにしました。
ちいさな ちいさな はなたちが
たくさん さいています。
「やあ! きみたち こんなところに いっぱいさいていたんだね」
「そうよ。わたしたちは だれにも じゃまされずに さいているのよ」
かぜが ふいて その きいろい はなびらを ゆらせます。
「ねえ。わたしたちは、きれい?」
「うん。すごく きれいだよ」
はなたちは、とても よろこびました。
「だれにも みてもらえないから、 きれいなのかどうか、わからなかったのよ!」
|